捨てられないために

こんにちは。
K2FP事務所の栗山です。

誰かと会うたびに「暑いですね」を言い疲れるくらいに暑いですね。この記事は名古屋に向かう新幹線の中で書いていますが、台風一過の名古屋は猛暑なようです。早くもバテ気味です…。

さて、今回のブログはちょっと趣向を変えて今後の金融機関とFPの動向についてです。
先日『捨てられる銀行』の著者である橋本 卓典さんの講演を聞いてなるほどなと思ったことがあったので備忘録を含めて。

JA在職時代に県本部の方に言われたことがあります。「一つの支店を維持していくためには貯金預かりが100億円ないと維持できない」当時私が勤務していた支店の貯金預かりはその半分ほどでした。都市銀や地銀・信金に勤務されている方と比べると田舎のJAは大分毛色が違いますので「100億くらい普通にあるわ」と言われそうですが、もうすぐ金融機関の支店統合・支店閉鎖の大きな波がやって来るそうです。

お客様から預かった預金を誰かに貸した利息、金融商品(投信や保険)を販売した手数料が銀行の基本的な収益です。前から思っていましたが、冷静に考えると現在の変動金利0.575%はおかしいです。事務手数料2%取ったところで昔のようには儲かりません。
しかし、人件費・建物の維持管理費等は昔と同じかそれ以上に掛かってきます。そりゃ支店なんて維持できません。精々出張所(職員の少ない支店)がいいところです。

支店維持が出来なくなると地元のお客様は離れます。そこをカバーするのが職員ですが、現状はノルマに追われ手数料の高い商品を販売することに力が入ってしまっています。これは銀行だけに限ったことではなく、我々FPの世界も同様です。「お客様のためになる提案をしたいから独立しました」みんなそう言います。しかし、本当にお客様のためだけを考えていたら、ご飯食べられません。どんな商売でも多かれ少なかれあることだと思いますが、お客様の事だけを考えていたらボランティアになってしまいます。多少は自分の主観や思惑が入って当然だと考えます。

私もFPですが、公正中立な立場でアドバイスしているとは自分で思っていません。当然、お金以外にも様々な思惑はあります。真の意味での公正中立な立場というのは、金融商品を販売している以上ないと私は思います。金融商品だけでなくモノやサービスを販売している以上、公正中立はありません。必ず主観と思惑が入りますが、そこに流されることなくギリギリのラインを保つことを心がけています。

公正中立な人がいないとしたらどうしたらいいか?お客様は誰を頼ればいいのか?
信頼できる銀行マン・FPではなく、『信任』信じて任せられる担当者を選ぶべきだと考えます。一口に信任と言ってもなかなか難しいですが、皆さん意外と信任しているのですよ。なぜなら、ほとんどの方が自分の借りている住宅ローンを詳しく説明できないですし、加入している保険の内容を把握していないからです。これって借入時や加入時に担当者を信任しているということになります。実際そうだったかはご自身で考えてみてください。

『信任』とても重い言葉です。我々FPや金融に関する仕事をしている人間はお客様から信任されて財産をお預かりしている。顧客本位になるように努力している。これから貯蓄の時代は終わり資産形成の時代がやってきます。銀行も代理店制度の緩和があり、金融機関とお客様の距離が近くなる時代です。一方、保険業界は規制が段々厳しくなってきています。まあ、今までが野放しだったとも思いますが…。金融庁が行っているあらゆる政策は「顧客本位の金融機関になりなさい。それが出来ないなら辞めてね」ということです。ものすごく当たり前のことを言っているのですが、それがなかなか難しいと現場で常々感じています。

ちょっと堅い話でしたがたまにはこんなお話もいいのかなと思います。茨城から遠い名古屋までわざわざ呼んでいただいたので、信任を裏切らないように頑張ってきます。

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